私は絶対許さない 15歳で集団レイプされた少女が風俗嬢になり、さらに看護師になった理由

♡2016年読んだ本10冊目♡

 ジャンル　ノンフィクション

私は絶対許さない 15歳で集団レイプされた少女が風俗嬢になり、さらに看護師になった理由

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雪村 葉子
ブックマン社 (2015-11-26)
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普段は新鮮なリアクションを持ったまま書けるように、なるべく読んだ直後にレビューを書くんだけど、この本は4、5日時間をおいてやっと書けた。

 

レベンジ本と思いきや(´Д` ) すごくモヤモヤが残ってしまった。読みながら誰が救ってくれるのか、どんなより良い生き方に著者が出会ってくれるのかを願いながら、最後まで読んだんだけど、いい意味で後味もすごく悪く、考えされられた一冊だった。でも後々このグレー具合が現実なのかもって考えられるようになった。むしろ、ありのままに書いてくれて感謝してる。

 

世の中のありとあらゆる犯罪の被害者は、完全に社会復帰できない人か、リベンジできるような人の二択ではないということをわからないといけない。現実は、著者のようにどうにかトラウマを背負いながらも日常を過ごすために、淡々と淡々と、できることをやってる人がきっと多い。何も解決していないし傷も癒えてもないけど生きて行っている。それを学べて良かった。

Amazonのレビューでも誰かが書いてたけど、性犯罪に関わらずメディアが取り上げる被害者は「頑張って成功して見返しました」な人ばかり。そもそもレイプにあって被害届出す人なんて3％程度らしく、その中で本書いたりTVでたり、加害者に何らかの形で仕返しができたり（訴訟や逮捕とか）それをバネに何かで頑張って成功してたりって、ほぼいないに等しいのかもしれない。そのような超人はどれだけ周りのサポートがあったり、どれだけ本人の精神が強いのか。

特に前半の描写が生々しく、読んでるだけでも悲しみと怒りとで吐き気がしそうな位すごい内容だったのだけど、普通の人、というか99.9%の人が彼女と同じような感じになるのかもしれない。苦しいからって自殺とかできないし、かといって開き直って明るく生きれない。「彼女の生き方を否定できますか？」という帯のごとく、自分自身だったら、自分の家族だったら、どうなのか。大なり小なり性犯罪は殺されない場合も多いがゆえに、被害者にとっては一生付き合っていかないといけないトラウマになる生き地獄だと思う。

全てのレイプ犯を死刑にしてほしい。。あるいは終身刑で一生労働。100歩譲って外に出るならパイプカット。。。

 

人が嫌がっていたり血を流していたり、自分より弱いものを殴れたりして平気な精神の状態が信じられない。頭がおかしい。病気。

 

世の中的にはタブーなことばかりだけど、全肯定して著者のことを抱きしめてあげたい気持ちになった。ただ生きてこれたことに頑張ったねって言いたい。彼女自身もまだ答えを見つけてないのがわかるし、今後見つけられるのかもわからない。でもそのままの状態で本を書けてさらけ出してくれたのは本当に有難い。あれこれ色をつけずに、そのままで出してくれた出版社も偉い。

 

唯一救いだったのが、もしあの時の自分に戻れたら通報するかという問いに、「する」と答えてくれたこと。それがこの本の読者に向けた最大のメッセージだと思う。もし不幸にも似たような経験が自分に降りかかってきたら、勇気を持って通報することにする。そうじゃないとこんなこと絶対なくならない。それでもなくならないかもしれないけど、家族や今いる環境に全否定されても、悪いのは絶対被害者じゃないと思わないといけない。

いろんなキーマンがいるけど、読み終わっても疑問もたくさん残った。また時間置いて考えてみたり読み返してみたら、思い浮かぶことがあるかもしれない。今は乱筆ではあるが今の気持ちを素直に書いてみた。これが今の私の書ける限界。それでもこの本に出会えて良かった。勇気を出して話してくれてありがとうと言いたい。

P.S. 精神科医の和田秀樹さんの解説もついていて、医学的にみて彼女のとった行動はトラウマ患者のマニュアル通りらしい。余裕があればこういうことも勉強してみたいな。。