悩みどころと逃げどころ - 本と映画の記録

♡2016年読んだ本15冊目♡

ジャンル　社会、哲学

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ちきりん梅原大吾
小学館
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恐らく5-6年は読んでるChikirinの日記の社会派ブロガーChikirinさんの新刊ゲット！最近はリアルタイムで記事を追ってなかったのだけど、久々に読んだら新刊のお知らせがあって、寝起きにも関わらず速攻で読みたくてKindleで購入した！そして一気に読了！

世界一のプロゲーマーと言われてる梅原大吾さんと社会派ブロガーのちきりんさんの対談本でござる。

学校制度から始まり、個々の幸せ、社会の幸せってなんなのかについてとことん議論。経歴は真逆な2人でも、お互いの考えに耳を傾け、どんなに違っても一生懸命相手の論点を理解しよう食らいつく。ちきりんさんの子供のような着眼点や良い意味でのしつこい食らい付きがすごく良かった（もちろんそこは大人だからオブラートな言い方だったり優しい聞き返し方をしている）。真逆の意見になったとしても、どうしてこんなにも2人の会話のキャッチボールが嫌らしくないんだろうと自分なりに考えたんだけど、それってきっと「社会善」という目標が2人の考えの根本にあるからだと思った。たまたま今お互いそれぞれの分野で成功して、「自分が良かったら、はい、おーしまい。あなた達もこう生きた方がいいよ」って上から目線じゃない。そしてそれを梅原さんは「無責任」とも言ってる。自分の人生に満足するのではなく、より多くの人が良い生き方ができるようになればと考えている。自分の主張で相手を論破するという目的の対談だったら、絶対こんなにしっくりこないし、読みやすくないと思う。

この2人の対談を読み込んでいくと、つまりはね、世で言われる良いという道に進んだちきりんさんも、それとは真逆に何か1つを貫いて世間体を無視して成功した梅原さんでも「とことん悩んできた」ってことがよくわかる。そして私も含め、きっと多くの「その間の道」を選んできた人もみんな悩んでもがいている。ただ個人として、国としての方向性としては、こういう風なのがいいんじゃない？ってお互いの意見を言っている。どの道進んでも悩むし全ての人に完璧な社会っていうことはないんだけど、あえて次世代をより良くしたいのなら、学校制度や社会の中で「この道しかないよ、これが正解だよ」と決めつけるのはやめようと訴えてた。

話がずれるかもしれないけど、ちきりんさんはお利口さんにやってきた人達が社会で報われないっていうことにトラウマさえ覚えてるのかなぁと感じられる箇所がいくつかあった。そもそも親も学校も自分で考えさせるってことを子供にさせていないのかもしれないけど、それでも自分で道を見つける子もいるし、中学生以上くらいになれば親や学校のせいにできないとも思う。社会人なるまで、お利口さんロードを歩いてきた人達ってある意味楽をしてきていると人も少なくないと私は思うのだけどどうだろう。自分で考えて道を決めて生き抜かないといけないって実はものすごくしんどい。周りが大多数がよしとする道に行く中、自分だけ好きなことを貫くとかって孤独だし。ある程度成績とって、文句言われない大学や企業に入って、で、ある日一生懸命上の言うこと聞いてやってたのにリストラされて、そういう人達かわいそうっていうのがちきりんさんの意見だったけど、厳しい言い方かもしれないけど、私は視野が狭かったり、自分のキャリアやその時市場に求められるスキルを考えてこなかった人にも問題があると思う。子供には率直に言える厳しさはないけど、ある程度の大人なら、ね。そんでもって「定年まで安定だ」って思考停止になってたりする大人も悪いでしょって。過剰にそのお利口組をかばわなくていいのになって思ってしまった。そういう本人達がこの本を手にとってくれるといいなとは思うけど、やはりある程度学校以外にバイトをいくつかしてたり、自分とジャンルの違う人達と会う機会が増えていたら、自ずと学校や社会で言われてきたような生き方に疑問を持つ機会もあるはず。そう考えるとちきりんさんはある意味で過保護なのかもしれないという感想を持った。

梅原さんの回り道の話もすごくしっくりきた。そして天才児と言われていたマツコの知らない世界に出てた天才小学生の加藤博人のラーニングカーブの話を思い出した。英検などを受け続けてある程度まで最年少最短で目標を達成していくのだけど、ある時点で吸収がストップしてしまったような。そんな時、加藤くんのお母さんが1度だけ英語から離れてみようと数年英語を遠ざけたそうな。その数年後にまた加藤君も飛躍的に伸びた。母国語での本を読みあさったり母体がしっかり出来てからの英語とそれ以外の分野（お勉強に至って）が物凄く幅広くなれたとか。梅原さんはチャンピオンを獲ってから、一旦ゲームの世界を離れたんだけど、1度その世界から離れて、また戻って来た時にまた一回り人間的に大きくなって覚悟を持って挑めるってあるよなと思い出した。ん？リンクしてないかなぁ。

あたかも自分が一緒に質問したり、されたりしてるようにシンプルに溶け込めるんだけど、本を読んだあともいろんなことを深く考えたいと思えた一冊だった。すごーーーーくおすすめ！　梅原さんの本も読んでみたい！

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