バイリンガルは二重人格 - 本と映画の記録

♡2016年読んだ本16冊目♡

ジャンル　語学、心理学、脳科学

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よく「英語話してる時と日本語話してる時ちがーう」っていうのが巷で耳にするので、疑心暗鬼で専門家はどう主張してるのか読んでみた。結論からいうとYESであるが、「バイリンガルだから」というよりも、「人は自分が思ってる以上に、その場その場で違う自分になれるのだよ」というお話だった。その一例としてのバイリンガルなのだが、例えば日本国内で日本人しかいない環境で育ったハイコンテクスト文化を持つ人が、アメリカのカリフォルニアなんかに行ったら、そりゃ真逆のローコンテクスト文化なので、そこに適応しようとすると本来の自分とは真逆な立ち振る舞いになってしまうだろう。ハキハキ物は言わないといけないしオーバーにリアクションしないといけないし（というよりその方がより相手に伝わりやすい）、日本語みたいに遠回しに言葉の背景を大切にして話したり聞いたりせずに、むしろシンプルにストレートに言わないといけない場面もたくさんあるだろう。この例だと、元々の性格や育った環境と新たに学ぶ文化や言語の差によっては「二重人格」とまで言われるような変わり様と定義される。二重人格に無意識になるというよりも、より新しい文化に適応しないと生き難いので、真似てみたり普段の自分の文化とは違うコミュニケーション方法で振舞ったりする。

私もバイリンガルなのだが、実は英語話してる時違うよねと言われたことがないに等しい(覚えてないのかもしれないが、それくらい言われたことがない)。それは育った環境でオープンにコミュニケーション取るのが当たり前だったし、オーバーリアクションも多分普通だったし(というか無駄なポジティブ感ある人が身内に多かったり)、白黒はっきりつけたり、誰も周りに合わせてと言わないので空気読まないで良かったり。そんなんだったので、英語を学んだからといってさほど日本語話す自分と英語話す自分に違いは見られなかった。きっとバイリンガルのみならず、多言語話す人でも私みたいな自分の文化と近い文化背景のある言葉を学んだ人は変わらないのではないかと思う。

そもそも著者曰く、二重とか三重とかじゃなくて、人はいとも簡単にどんどん新しい自分になれるのだそうだ。よって語学を学ぶ時は、その文化背景に合う自分に成りきるようにして覚えたら、より学びやすいだろうというアドバイスがあった。文法やアルファベットからがっちり固めていくのではなく、そういう抽象的なところから真似て行けば人間すぐ変わった自分になれるし頭にも入りやすいよ、ということらしい。俳優みたいにどんどん真似をするということ。