ダーリンは外国人ベルリンにお引越しトニー&さおり一家の海外生活ルポ

♡2016年読んだ本41冊目♡

ジャンルエッセイ、旅行、移住

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小栗左多里トニー・ラズロ
KADOKAWA/メディアファクトリー
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この本は、15年前くらいに大ヒットして映画化もされた「ダーリンは外国人」シリーズの1つ。私の興味なんて足元にも及ばないけど、同じ言語オタクで知的好奇心旺盛なトニーさんの考えが大好きで、あれからいくつかこのシリーズを読んでるんだけど、久しぶりに図書館で見かけてこちらは読んでなかったので手に取ってみたよ。

15年程の月日た経ち、ダーリンのトニーさんと著者のさおりさんは子供ができて、小学校へ上がるタイミングでドイツに移住したとのこと。トニーさんがEU国籍を持っているとか。そもそも彼はアメリカ人だから、アメリカ、EU、もしかしたら日本の国籍も持ってる。羨ましすぎる。。

私も昔は国籍とかすごく拘ってて、25歳くらいまでは「この激変するグローバリゼーションの中で逃げ場はあればあるほど価値があるのだ」と思っていたのだが、結局日本人と結婚したしアメリカから帰国してもうすぐ10年日本にいるし。。20カ国くらい仕事やプライベートで海外も行ってるのだけど、歳を取れば取る程？日本の安全さや平和さにも惹かれて留まってる次第でござる。

何だか当時の野心たっぷりな自分に比べたら、腰も年々重くなり、仕事や移住も自分だけの決断じゃなくなってきてて「もー日本でいいんじゃね？日本安全だし、最高〜」みたいな考えになってきてる。。でも頭の片隅で、「あぁまた海外暮らしもいいなぁ」と思ってる（旦那さんが行くならいつでもOk）。昔は学ばなきゃ強迫観念ｗで、無理矢理にでも定期的に行くようにしてたけど、今年は一切行かなかったなあ。。そんな中、またぱぁーっと軽い気持ちで視野を広めてくれるこの本に出会えてなんだか嬉しかった。「軽く」ってところがまた今の自分には良いんだよね。

ま、そんなことは置いといて、この本は漫画＋トニーさんと左多里さんのエッセイなんだけど、お2人の人柄の良さが滲み出てて、読んで温かい気持ちになれた。どこへ行っても仲良く話し合いを大切にできる関係って素敵だし、愛を感じる。

ドイツはプライベートで2回、レイオーバー入れたら3回行ったことがある。フランクフルトとミュンヘン。ミュンヘンはなんと、チューリッヒから成田への直行便の帰りの飛行機を逃して、「ミュンヘン経由ならあるよ」と翌日飛ばされたのがきっかけで訪れた街ｗしかも丸1日現地でのレイオーバーがあり、偶然にもオクトーバーフェストのど真ん中の日という不幸中の幸いで街へ繰り出したっけ。フランクフルトは高層ビルがたくさんあるビジネスの街で特にあんまり文化を感じなかったけど、ミュンヘンは都会だけど文化や自然もたっぷり、だけど老若男女関わらずエンジョイできるような安全さと賑やかさがある良い街ですぐにリピートしてくなった。

本の中のこの夫婦が移住先と決めたベルリンは、私は今まで縁がなく、ドイツに数年住んだことのある相方曰く、暗くて旧ソ連風な街並みと聞いててなんとなく遠のいてた。でも、この本を読んでめっちゃ行きたくなった。。相方のこと信じすぎて食わず嫌いだったことを反省。ベルリンはアートが有名で、ベルリンの壁崩後にアーティストやそれを支援する成金たちが集まって物価が上昇し、今も高いままだそう。西のいかにも資本主義用に作られたデザインや作りが統一されたフランチャイズが多いのに反して、東にはユニークな個人商店とかが溢れてるそうな。いろんなところに「綺麗な落書き」があって街中にアートが溢れていると。写真もいくつか紹介されててすごく可愛かった。。思い起こせば大学で美術教えながら陶芸してたりするアート職の友人が、旅行先にベルリンを選んでいたのもこういう理由があったんだなと今更。

暮らしやレストラン、カフェ等の話から、お子さんのベルリンでの学校入学の話や、マルチリンガルとして育てることについても真新しかった。特に言語についてはトニーさんがマルチリンガルだから、また自分以外を言語習得させるにはどういう工夫が役立つのかとか結果も追ってみたいと思う。今はとりあえず家では日本語と英語、学校では主にドイツ語らしい。トニーさんも積極的にドイツ語を勉強していってるみたい。子供が混乱しないかもちと心配だが今後の展開もすごく楽しみだな。

とりあえず場所は違えど、トニーさんの知的好奇心も、それを見守るさおりさんの洞察力も健在で、学びあり、愛情ありのお話だった。久しぶりにまた海外へも目を向けていこうと思えた。

P.S. もしかしてドイツ生活版第二弾が出てるかなと思ったらやっぱり出てた！！最高ー。早く読んでみたい。というか、総なめしたい。